Xジェンダーとは、身体の局所的な部分や特徴もしくは社会的な性役割に対し、性別違和や嫌悪感を抱いているが反対の性になりたいとまでは強く望まない人々のことです。
Xジェンダーという用語は日本独自の呼称であり、疾患名ではないため、詐病という概念は存在しません。(つまり「偽物」だとか「なんちゃって」だとか、そういうものはありません)
Xジェンダーは男女二元論に基づかない独自の性自認をもっており、その状態は当事者によって異なり、一般的に分類される「中性・両性・無性・不定性」などと呼ばれる同じカテゴリであっても、内面の在り方はそれぞれ違うのがXジェンダーの特徴でもあります。
さらに「中性・両性・無性・不定性」に属さない人々も珍しくなく、それらは分類不能なカテゴリとして、通常は「その他」という定義で扱われています。
自分自身をXジェンダーかどうか判断する簡易な基準としては、以下の両方について本人が「当てはまる」と感じれば、Xジェンダーの可能性は否定されません。
Xジェンダーとはそれ以上でもそれ以下でもありません。
また、近年このような性自認が徐々にネット上で浸透するにつれ、Xジェンダーの説明をしているセクシュアルマイノリティ系のウェブサイトに幾つかの間違った記述や誤解を与えるような表記がされているものが見受けられます。
特に以下のようなものはXジェンダーに対する誤解が多分に含まれていますので、ご注意ください。
「決めたくない(決められたくない)」というと「本当は自分でも男女どちらかだと分かっているけれども、そこをあえて決めたくない(誰かに決められたくない)」かのような誤解を与えてしまいます。
また、Xジェンダーは必ずしも反対の性の格好をして生活をしている人たちではありません。特にMtXの場合はほとんどが生まれたときに割り当てられた性別(いわゆる男性)の装いをし、社会生活も男性として暮らしている人が9割程度と言っても過言ではありません。ですから普段の見た目だけではまったくXジェンダーであることは気づかないケースがよくあります。
そのような記事が掲載されてしまう主な原因は、その記事を書いているライターがXジェンダーのことをよく知らないまま、別のウェブサイトの情報を切り貼りして載せていたり、あるいは身近な数少ないXジェンダーだけの説明をXジェンダーの全ての人々がそうであるかのように勘違いをして書いてしまっているためです。
みなさんもどうか一部の記事だけを鵜呑みにして、「Xジェンダーはこうだ」と認識するのではなく、一人でもより多くのXジェンダー当事者に会って話を聞いてみてください。きっと、一人ひとりが違った性自認であることを実感することができると思います。